7時間汗をかき続け生命の極限を攻めるapiの「サウナ道」

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私は俗にいう「サウナー」である。

こんなにもサウナが流行りだしたのはここ数年のことだと思う。一体どうしたことだろう。

以前はたっぷり蓄えたマダムとあいまみえることが多かったが、今は若い女の子もたびたび見るようになった。

サウナで私は一番熱い最奥の全体を見渡せる位置にいるので、サウナーたちのシルエットの違いが歴然である。

ブームになっても私の周りではそれくらいの変化しかなく、サウナも熱波もいつもどおり熱く私を迎えてくれる。

マダムは昔もこれからもずっと、テレビの前に鎮座し続ける不変の存在だ。

目次

私のホームサウナ

私のホームサウナは、滋賀県の湖西にある「あがりゃんせ」というスーパー銭湯。

ここが大好きで、10年以上通い続けている。

ここの推しポイントは、2種の源泉、炭酸泉やマイクロバブルなどお風呂の種類がたくさんあり全てが温泉、5種の岩盤浴、マンガめっちゃ読める、ドクターフィッシュできる、琵琶湖がきれい、めっちゃ広い。

サウナ関連だと、熱波師によるロウリュ、備長炭の水風呂が冷たい、塩サウナがある。

「天下一品」という有名ラーメンチェーンがやっている施設なのでごはんも結構美味しい。

羅列しただけでもう行きたい。

ロウリュとは

さっき出た「ロウリュ」について、説明しておこう。

ロウリュというのは、サウナストーブに水をかけて蒸気を発生させ、体感温度が飛躍的に上がるシロモノ。

湿度が高いと暑く感じるのは日本人全員がご存知だと思う。

100℃近いサウナで湿度を上げたらどうなるか?

灼熱になる。

その灼熱に風を送って体に浴びせるという、どこかの地獄の刑罰として行われているような所業がロウリュである。

サウナによっては自動で水が出て風を巻き起こしてくれるようなところもあるが、あがりゃんせのロウリュは熱波師と呼ばれる人があおいでくれる。最高か。

あがりゃんせのロウリュの流れも説明しておく。

時間になったら熱波師さんが2人1組で高温サウナに来て、1人が説明やストレッチをしてる間に、1人がアロマ水をサウナストーブにかけて湿度を上げ始める。

サウナストーブにかけるアロマ水は日替わりで毎回楽しみ。

2人が芭蕉扇のような大きなうちわを持ち、サウナストーブをあおぐと、ジリジリとこちらにまで灼熱が忍び寄ってくる。

上に登った水蒸気をあおいでサウナ全体に行き渡らせたら、準備完了。この時点でもかなりの熱さ。

熱波師さんが1人ずつ10回あおいでくれる。灼熱地獄。全身の汗腺が開き、一気に汗が吹き出し滴り落ちる。

あおいでもらってるときが一番熱いのだが、順番を待ってる間も相当熱い。ここを耐えられるかが勝負。何との勝負なんだか分からないがつい我慢してしまうのだ。

人が多いときは熱波師さんがもう1人きて1周を早くしてくれるが、全員終わるまで耐えられず、自分の番が終わると出てしまう人も多い。

これを2回繰り返し、3回目はリクエスト制で15回あおいでくれる。このおまけは嬉しいが極限状態のときはありがた迷惑だったりもする。

この計35回と、サウナーの人数3周分の灼熱地獄を耐えぬいて初めて、水風呂が天国に変わるのだ。

私のサウナルーティン

サウナに行くときの私のルーティンは大体決まっているのでご紹介していこう。

10時半。全ての家事を早く終わらせ、早めのお昼を食べてからあがりゃんせへ。後述するが、お昼はなるべく塩分を摂るようにしたい。

まずは炭酸泉や、温泉がマイクロバブルで白く濁ったシルキー風呂に入り、体を温めロウリュに備える。

11時が近づくと、一回水風呂に軽く入り、体を拭いてタオルを頭に巻く。

自前のタオルは持っていかないので顔から下はすっぽんぽんだが致し方なし。

髪が痛むくらいなら知らんおばちゃんに裸体を見られた方がまだマシというものだ。

11時。高温サウナ1回目のロウリュの時間。さぁ、ここからが本番である。

サウナは上段の一番奥が一番熱いので、なるべくそこを陣取る。

余談すぎるが、私が一番好きな熱波師スタッフのFさんという方がいたら勝手にラッキーな日に認定している。

ベリーショートのFさんはおそらく還暦くらいのお年だと思うのだが、若々しくめちゃくちゃ元気があり盛り上げ上手なので、いつも元気をもらえる。

しっかりお話ししたことはないのだが、一方的に知り合いのような感覚になっている。我ながら怖い。

ロウリュの灼熱地獄を終わりまでなんとか耐え、16℃の水風呂へ。

かけ水をして水風呂の一番奥へ進む。あごまでつかる中腰の姿勢になり、力を全て抜いて微動だにしないようにする。

あんなに冷たかった水が自分の周りだけぬるくなり気持ちのいい温度に変わる。「天使の羽衣」の完成である。

今笑った人、これは私の造語ではなく、れっきとしたサウナー用語なのだ。嘘だと思うならググってみてほしい。

天使の羽衣は、質量をお持ちのマダムが前を通ると、儚く崩れ去ってしまう。

生命の極限をさまよいながら、私はなんとかまた天使の羽衣をまとう。

天使の羽衣をまといながら水風呂にいると、みるみる心拍数が下がっていく。

60まで来ると体はまだ熱いのに気管を通る息が冷たくなってめまいが起こりはじめ、限界がくる。

これが私の水風呂を出るサインだ。

心拍数はサウナでやばいもうだめだと思う170から、水風呂でやばいもうだめだと思う60まで急降下するのだが、私はこの温度差、落差が「ととのい」の最重要ポイントだと感じている。

サウナがものたりなかったり、水風呂がぬるかったりすると、整えることはできないのだ。

フラフラになりながら水風呂を出て、外気浴できる場所へ移動しつつ体を拭く。

着いたらすぐ寝ころんで力を全て抜き、ヨガのシャバーサナ・屍のポーズを行う。本当に屍のマネをするようなポーズだ。

外気浴の場所はなるべく傾斜がついてないチェアや畳がいい。

夏は外に、それ以外の季節は浴室内にお気に入りの場所を見つけてある。

シャバーサナをはじめるとすぐに、手足が痺れて小刻みに震え、自分の体が少し浮いて右回りに回転しているかのような、とても気持ちよくトリップした感覚に陥る。

これが私の「ととのい」だと思っている。

脳内麻薬がだばだば出るこの感覚にしばらく集中し、だんだん薄れてきたら終了。

そのあとものたりなければまだアロマの香りの残るサウナに行くか、温泉でぼーっと休む。

11時半。水を何杯も飲んで岩盤浴ウェアに着替え、少し距離がある岩盤浴エリアに移動。

移動中にドクターフィッシュがいるので一休みする。

岩盤浴エリアからは琵琶湖が一望できるのが最高。滋賀県民は琵琶湖を愛してやまないのだ。

こっちは男女共用なのでカップルもちらほらいて微笑ましい。

岩盤浴では部屋を変えながら45分→15分休憩のローテーションを2回繰り返し、14時を待つ。

岩盤浴中は瞑想や考え事、こっそりと軽いストレッチ、うたた寝をしていると2時間がすぐに経ってしまい、驚く。

14時。岩盤浴エリアのロウリュの時間。一番広い部屋にわらわらと人が集まってくる。

岩盤浴はせいぜい60℃くらいなので、サウナほど追い込まれることなく気持ちいい風をもらえる。

最大35回あおいでもらえるのは変わらないが、こちらには水風呂がないので整えることはできない。

その代わりに凍らせたおしぼりをサービスしてくれる。

ちなみに、ベテランのFさんは最近は高温サウナよりこちらの岩盤浴ロウリュに熱波師として登場することが多いので見逃せない。

ロウリュ後は、15時前までもう1セット岩盤浴にこもる。

この時点でろくに休みもせず4時間汗をかき続けているので(こんなに汗かいてて大丈夫・・・?)と思った方は鋭い。ご心配のとおり、熱中症一直線である。

私はそれに気づくまで8年以上かかり、帰宅後はだいたい頭痛に襲われていた。今考えると熱中症だったと思う。

健康になりに行ってるはずが逆に不健康になって帰ってくるという意味不明なことになっていた。

それに気づいてからは熱中症対策として、塩をラップに少量包んで持っていくか、塩サウナの塩を少しなめたりしている。

15時。高温サウナのロウリュ2回目。

ロウリュから外気浴までは1回目と全く同じなので割愛。

外気浴のあとは17時まで温泉を堪能したり、髪を洗ったり、塩サウナに行ったりする。

塩サウナではマダムたちが塩をつけてゴシゴシやっているが、それやらない方がいいですよという言葉をいつも飲み込んでいる。

肌はこするとよくないし、塩の刺激がさらにダメージを与えてしまう。

塩を優しく体につけて、溶けるまでじっとして、溶けたらマッサージを行うのがいい。

17時。高温サウナのロウリュ3回目。本日のラスト。

さすがにこのへんでヘトヘトになるので無理は禁物。

ロウリュが終わるまで我慢できずに出てもオッケーとしている。

外気浴のあと、心ゆくまで温泉を堪能したら夜ご飯までに帰宅。

なお、このあと21時に4回目のロウリュをやっているので、体力のある方は楽しんでほしい。

ここまで4000文字も使って私のサウナの過ごし方をご紹介してみた。

7時間も滞在し、ずっと汗をかき続け、2L以上の水を消費するのは、おそらく普通ではない。

私は何と戦っているのか。なぜここまで生命の極限を攻めてしまうのか。自分でも分からない。

これが好きで気持ちいいんだからしょうがないが、もしかしたら変態の極みなんじゃないかと心配している。

もはや普通が何か分からない私のために、これを読んだサウナーさんはぜひ過ごし方を教えてほしい。

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